◆ アイセンター診療情報統計 (山本 晃) ------------- <1・2> |
アイセンター診療情報統計
山本 晃
医療状況が変化する中、日々の診療情報を集計・解析し、迅速に対応する事は大切です。またこれら情報を
公開する事も必要です。1999年(平成11年)新外来棟完成と同時にアイセンターが開設され、新しい診療体制
となりました。アイセンターの診療情報をまとめ、若干のコメントを加えさせていただきました。
アイセンター開設後、外来患者数は増加に転じました。午後の専門外来にも、多くの方が受診されています。
新患数が若干減少傾向です。
当院は多摩地区で唯一、24時間体制で眼科診療を行っています。変動はありますが、毎年約4,000人もの方が受診しています。
平成12年新病棟が完成し、眼科のベッド数が26から31に増床されました。
しかし、いつも満床状態でベッドコントロールの先生は大変苦労しています。
平成9年、病院に地域医療連携室が開設され、FAXを利用した紹介・予約システムが開始されました。
紹介数は年々増加しています。
紹介状形態 |
件数 |
患者持参 |
1348 |
FAX |
968 |
救急外来 |
175 |
その他 |
15 |
計 |
2506 |
紹介元医療機関分類と紹介数
大学病院 |
一般病院 |
OB/関連病院 |
開業医 |
合計 |
|
平成12年度 |
71 |
389 |
570 |
1061 |
2091 |
平成14年度 |
61 |
471 |
603 |
1371 |
2506 |
2年間で、一般病院・開業医からの紹介数が増加しています。
紹介元医療機関の所在地と紹介数(平成14年度)
多摩地区 |
件数 |
23区 |
件数 |
|
武蔵野市 |
228 |
世田谷 |
191 |
|
府中市 |
195 |
杉並 |
132 |
|
三鷹市 |
174 |
練馬区 |
110 |
|
調布市 |
138 |
新宿 |
38 |
|
立川市 |
119 |
大田区 |
23 |
|
八王子市 |
114 |
葛飾区 |
22 |
|
多摩市 |
82 |
港区 |
21 |
|
小金井市 |
73 |
江戸川区 |
16 |
|
福生市 |
66 |
千代田区 |
12 |
|
昭島市 |
55 |
豊島区 |
10 |
|
国分寺市 |
52 |
その他区部 |
45 |
|
青梅市 |
48 |
合計 |
620 |
|
西東京市 |
45 |
|||
東村山市 |
41 |
他県 |
件数 |
|
国立市 |
40 |
神奈川県 |
58 |
|
稲城市 |
35 |
埼玉県 |
45 |
|
あきる野市 |
33 |
山梨県 |
9 |
|
日野市 |
31 |
その他・不明 |
94 |
|
小平市 |
19 |
合計 |
206 |
|
東久留米市 |
19 |
|||
その他市部 |
73 |
|||
合計 |
1680 |
三鷹市と隣接の市・区部からの紹介患者数が多いですが、国分寺・立川・八王子などの中央線沿線、
福生・昭島・青梅など青梅線沿線の市部も多い様です。隣接以外23区からの紹介は少ないです。
平成11年に新外来棟に外来手術室が併設され、外来手術件数は年々増加しています。
平成15年手術件数
疾患名 |
件数 |
網膜硝子体 |
841 |
水晶体 |
796 |
緑内障 |
77 |
眼瞼 |
24 |
眼窩・涙道 |
22 |
穿孔性眼外傷 |
22 |
斜視 |
10 |
角膜移植 |
8 |
その他 |
20 |
合計 |
1820 |
件数 |
(内・緊急) |
|
中央手術室 |
931 |
(309) |
外来手術室 |
889 |
(108) |
合計 |
1820 |
(417) |
網膜硝子体 |
件数 |
(内・緊急) |
中央手術室 |
703 |
(264) |
外来手術室 |
138 |
(86) |
合計 |
841 |
(350) |
水晶体 |
件数 |
(内・緊急) |
中央手術室 |
112 |
(12) |
外来手術室 |
684 |
(13) |
合計 |
796 |
(25) |
網膜硝子体手術件数は日本一だそうです。緊急手術も多く、術者・担当医とも日夜頑張っています。
白内障手術は外来手術室に移行してきています。
網膜硝子体 |
件数 |
裂孔原性網膜剥離 |
318 |
増殖糖尿病網膜症 |
172 |
黄斑円孔 |
60 |
黄斑上膜 |
58 |
増殖硝子体網膜症 |
42 |
シリコンオイル眼 |
33 |
バックル偏位・脱出 |
26 |
黄斑円孔網膜剥離 |
21 |
BRVO+CRVO |
18 |
黄斑浮腫 |
11 |
緑内障 |
8 |
黄斑出血 |
7 |
眼内炎 |
6 |
硝子体出血 |
35 |
その他 |
26 |
合計 |
841 |
裂孔原性網膜剥離の術式 |
件数 |
硝子体手術 |
129 |
強膜内陥術、冷凍凝固 |
189 |
合計 |
318 |
緊急性の高い網膜剥離や糖尿病網膜症の手術件数が多いため、黄斑円孔・黄斑上膜などの手術は
入院までお待たせする事が多くなっています。
第27回日本眼科手術学会総会
2004年1月30日〜2月1日、第27回日本眼科手術学会が東京フォーラムにおいて、樋田哲夫会長のもと行われました。
入場者数は3,600人で盛会のうちに閉会しました。学会中の写真です。
東京国際フォーラム |
会場裏方 |
ホールC |
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シンポジウム 硝子体手術と薬剤 |
Elias Reichel 先生 |
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招待講演 Shields 先生ご夫妻 |
シンポジウム 実用化間近い人工視覚 |
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綱町三井クラブにて会長招宴が行われました。 |
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アイセンター招待講演者の写真
「Retinal Vascular Surgery」2003年10月8日
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イベント情報
第41回東京多摩地区眼科集談会(専門医認定事業・2単位) 平成16年4月3日 (土) PM 2:00〜 場所: 杏林大学医学部・臨床講堂 教育講演:顔面の形成外科 高見佳宏(杏林大・形成外科助教授) |
編集部より
ご存じの通り今年からスーパーローテーションが始まり、原則として2年間は新入局員を期待できません。
どこの大学も出張者を戻して人員確保をしており、医師派遣を中止せざるを得ない状況が多発しています。
スーパーローテーションそのものも今のままでは意義あるようには思えません。医療以外の仕事が増える
一方の勤務医達はいずれまともな医療を投げ捨てないとも限らない気がします。
不満をいえばきりがない、私たちは増える一方の患者さんへの対応に日々追われるばかりです。4月から
外来手術室の顕微鏡が3台に増え、眼科手術は入院外来を問わず外来手術室使用が原則となります。理想
のアイセンターへまた一歩進むことになります。〈 T.H. 〉