◆ 外来看護理念(山本 美恵子)

-------------- <1>

◆ 視能訓練士の活動(沢谷 睦子)

-------------- <2>

◆ フォトグラファーの活動(峯村 純枝)

-------------- <3>

◆ フェローの紹介(平形 明人)

-------------- <4>

◆ イベント情報

-------------- <4>

◆ 編集部より

-------------- <4>

外来看護理念


(左から)中村暁美・山本美恵子・菊池麻弓・杉山尚子

 

 私たち外来看護師一同、外来看護目標の「転倒事故・患者誤認・誤薬事故を[0]にする。」を念頭に、まず患者様の安全を第一に心がけ外来看護にあたっています。当アイセンターの一日平均の来院者は約300人で、あらゆる年齢層の患者様や障害のある患者様が来院されます。受付、診察室、検査室に看護師を担当配置することで、外来のあらゆる所で転倒に注意が必要と思われる患者様や介助、誘導が必要な患者様を素早くキャッチし、またそれを担当看護師に伝えることで、より安全・安楽に診察、検査を受けていただけるように努めています。また点眼、検査などの際、本人確認を確実に行うために、診察カードもしくは予約受付票を用いての確認や、眼科特有の右左眼の誤認や点眼薬誤薬の防止のため指示呼称での確認を徹底し実施しています。
近年在院日数の短縮や在宅療養の患者様の増加など、今後ますます外来看護、指導が重要になってきます。外来での入院前オリエンテーション、クリティカルパスの導入、退院患者様の継続看護など看護介入をどんどん広げて行きたいと考えています。このため今年度からは、看護師の管理が病棟と外来が一元化され、患者30名対1名の看護師の配置の実現をめざし外来看護の充実化を図る予定がなされています。また眼科通院されている患者様は全身合併症を有していることが多く、思いがけない急変の可能性が高く外来での看護観察が重要となります。当外来でも実際に心肺停止、急性心筋梗塞、意識障害など3次救急対応レベルの事例も発生しています。眼科看護だけではなく救急看護にも対応する幅広い看護が必要とされています。(山本記)

<1>
視能訓練士の活動


 (後列左から)宮崎美直子、大森雅子、沢谷睦子、高崎三保子
(前列左から) 西脇友紀、堀井史代、進藤智恵、田中恵津子

 

 現在アイセンターのORTは、この4月から1名増員となり、8名で種々の外来・病棟検査を行っています。今回は視能訓練士というマイナー?な資格について、また私達が日頃心がけていることを書いてみたいと思います。
 ORTの存在については、入局して初めて知ったという方がほとんどだと思います。視能訓練士(ORT: orthoptist)は、昭和46年に制定された「視能訓練士法」という法律に基づく国家資格を持った医療技術者です。現在、有資格者は5,000名を超え、眼科医の指示の下、各種視機能検査を行っています。
 種々の検査法については、養成校でのプログラムで一通り習得しているのですが、実際の患者さんに接し、経験を積んでようやく体得するのが現状です。そのため、経験年数の差によって、正確なデータを出すまでにかかる時間や、あるいは、結果自体に少々の差異が生じてしまうことも時折あります。しかし、検者によって異なる結果が出てしまうことは避けなくてはなりません。そのため、経験年数の多い者は浅い者に対し、これまでの経験で得た知識・技術を伝え、検者による差異をなくすよう心がけています。
 また毎年、視能訓練士養成校2施設から、実習生を受け入れており、斜視弱視検査の仕方を中心に勉強会を開き、検査中に生じた疑問などについてみんなで話し合い、スムーズな検査ができるよう心がけています。
 日々の検査における対象の患者さんは乳児からご高齢の患者さんまでさまざまです。一様に正確なデータを出すことはもちろんですが、検査にかかる患者さんの負担をできるだけ軽くしなくてはなりません。体力の衰えたご高齢の患者さんも多く、椅子の移動一つにもかなりの負担を強いてしまうこともありますし、若年の患者さんのように、テンポよく応答できない場合も多々あります。視野検査をはじめとして、患者さんに嫌われてしまう検査も多いのですが、患者さんの疲労具合などをみながら、患者さんが気持ちよく検査を受けられるよう、心がけています。
 アイセンターは待ち時間が多いというクレームもよく耳にしますが、私達コメディカルの対応で解消できることも多いため、どこでどんな動きが必要とされているのか常に気を配りながら、アイセンターの縁の下の力持ちになりたいと思っています。(西脇記)

<2>
フォトグラファーの活動

 撮影する写真を大まかに分けると眼底・前眼部・皮膚粘膜となります。その中にもさまざまな撮影方法があり、病気によって方法を変えて誰にでも見やすいきれいな写真を撮るように心がけています。写真は撮影時の病状を記録し、その後の経過を追っていく為には重要な情報源だと考えています。
 3月からそれまでフィルム撮影で行っていた眼底写真を試験的にデジタル撮影にしてみました。聞くところによると数年前よりその計画があったそうで年内にという目標で山本先生にご協力を頂きながらシステムを替えていこうという事になりました。やはりアナログよりデジタルが多く活用されている現状やフィルムの現像・写真整理などの時間を考えるとデジタル化にした方が早く結果が分かり、見たいものを選択できるという点で優れているのではないでしょうか。また、診察時にも今まで小さな写真で病状を説明していたのが各診察室でコンピューターの大きな画面を見ながらできるので、患者さんにも自分の目のどこがどのような状態になっているのか分かりやすいのではないかと思います。しかし欠点としてはPCが何らかの原因で止まってしまった場合が一番怖いです。もちろんそれについての対策はしています。他に写真を大きく印刷した場合はやはりフィルムの方がきれいです(フィルムだと約600万画素ぐらいでしょうか)。
 4月より本格的にデジタル撮影にし、眼底・皮膚粘膜とともに蛍光造影検査も始めました。早くデジタル化にしたいと思ったのはこの検査があったからです。撮影者自身も確認しながら撮影できますしその後すぐに診察できる為、患者さんは1日で検査から診断まで行う事ができ来院回数や負担も大きく変わってくると思います。この検査結果を知るまでフィルム撮影だと2〜3日かかったものがすぐに結果が出るので夜間や連休などの緊急時に役立っている事と思います。システム変更の際に眼底カメラもKOWAの新しい機種に変わり、以前のカメラより画素数が100万ほど上がりました。以前に比べやはり細部までよく分かるようになり、画質的にもとてもきれいです。患者さんは眩しいというのが一番の苦痛だと思うのでできるだけ照明光を落として撮影しています。
 現在、前眼部はフィルム撮影なのでこちらも早めにデジタル化できたらと考えています。(峯村記)

<3>
新フェローの紹介


菅本 良治先生
網膜硝子体フェロー
(東京東京医科歯科大眼科)

三井 恭子先生
網膜硝子体フェロー
(杏林大眼科)

杉谷 篤彦先生
網膜硝子体フェロー
(杏林大眼科)


菅原 道孝先生
ぶどう膜炎フェロー
(東邦大学佐倉病院眼科)

 今年もアイセンターで新しいフェローが活躍しています。2001年 (Spring)のNewsletterにフェロー特集を組みましたが、少しずつ色々な施設から集まるようになりました。これは、アイセンターにとって大きな財産になっています。将来、世界中に仲間が広がって、お互いの人生を「よく学びよく遊ぶ」ためにさらに刺激しあえるといいと思います。 (平形記)

イベント情報

〈OPEN CONFERENCE〉
国内外の先生にインフォーマルな場で臨床、研究テーマについて講演していただくシリーズです。外来棟の10階第2会議室で6:30PMから行われます。アイセンター外の先生方も是非ご参加ください。

6月23日(水)  「炎症性シグナルと視細胞」
         小澤 洋子先生 (慶應義塾大学医学部眼科)

 

8月4日(水)   「黄斑浮腫の病態と治療」
         山本 禎子先生 (山形大学医学部眼科助教授)

〈第6回西東京眼科フォーラム〉
10月2日(土)  15:30~16:00  場所:杏林大学医学部・臨床講堂
          特別講演:天野 史郎先生(東京大学眼科)

〈第42回東京多摩地区眼科集談会〉
10月30日〔土)  14:00~17:00 場所:杏林大学医学部・臨床講堂
          特別講演:眼科医のためのインターネット講座・前田 利根(オリンピアクリニック)
    

 

編集部より

 パラメディカルスタッフが仕事熱心で患者さんへの対応が良いかどうかは、治療に対する患者さん側からの評価の要です。幸い杏林アイセンターはこの点では恵まれています。パラメディカルからも新しい試みや、これまで以上の学会、論文発表されることを期待しています。今年もフェローが網膜硝子体、ぶどう膜炎グループに加わりました。外から来た2人は患者さんの多さに驚いているようです。戻ったら我々にとって脅威になる位、実力をつけて帰ってもらいたいと思います。〈 T.H. 〉

<4>